カルミナの随想録

日頃学んでいる投資、トレードのことを筆の思うままに。

随想録7 / 何故、相場に対して「プライド」を捨てると上手くいくのか?

相場に対しては「素直であること」の大切さを書いた。

素直さがある人は、柔軟にシナリオ修正が出来たり、損切りが出来るようになる。

それは自分が間違えたことを認めることが出来るからです。

 

一方で、実際は素直になることが出来ないために、損切りが出来なかったり、

明らかに状況が変化しているのにも関わらずシナリオを変更出来ない等といった、

問題が発生してしまうから、そこで悩むし、最悪止めてしまう。

「頭では分かっていても、行動が伴っていない」状態に陥ってしまうんです。

それが何故か?といえば、その一つの問題として「プライド」が挙げられます。

 

プライド = 自尊心、誇り。

プライドが高いと「自分は優れた人間だ」と思っている傾向がある

プライドが低いと「自分は劣った人間だ」と思っている傾向がある。

 

その扱い方については、メリット・デメリットがあると思います。

ここでは今回触れませんが、悪い部分が前面に出てしまうと、

それが足枷となり何事も上手く行かなる事例が発生しやすくなりますね。

 

プライドにも2種類あって、

外面に対する要因or内面に対する要因に分けることができます。

具体的にトレードで「プライドを持つとは?」ですが、

 

「外面に対するプライド」とは「相場」に対してです。

まずこれは必ず捨てないとなりません。

 

特にまだ経験値が浅い方の中には「相場の未来を予測することが出来る」、

「相場をコントロール出来る」と無意識的にでも考えている傾向があります。

実は私はその気があって、初期の頃はそれが原因で負けていて悩んだのですが、

そもそも相場は予想・予測することは不可能だし、

コントロールするなんて発想自体は愚かでした。

「個人」が相場に対して、どうこうすることは何も出来ない。

無力だと気付かされました。

 

明らかにトレンドも変化している。

例えば上昇トレンド→下降トレンドに変化したというのに、

下がったら買うを繰り返してしまい逆行したらナンピンして...ゲームオーバー。

それでも負けた事実を認められず、全く同じ間違いを何度も何度もしました。

 

当然損切りも下手くそで、負けた事実を認められないから、

指値価格を設定していても、それを解除したり、設定を引き伸ばしたりで、

損切りをしたくないという姿勢でトレードをしていたのです。

 

このような姿勢で相場と向き合っていては、まず嫌われます。

空気読めない人認定されますから、当然自分が求める動きにならず逆行する。

逆行した動きには気付いていても負けを認めないから、含み損も大きくなっていく。

取り返しのつかない状況になり、言わば圧倒的な敗北をしたときになって損切りか、

強制ロスカットになって終了してしまうのです。

 

現実世界でもプライドが高すぎる人の扱いは難しい。

避けられる、嫌われてしまう傾向が高いのです。

これは相場に対しても同じことが言えて、

貴方の投資判断が間違っていたと認めることが出来ないなら、

相場は避けていくし、その態度を嫌うのです。

 

一方で「内面に対するプライド」とは、自分のトレードに対する自信・軸がある。

日々の練習、過去の検証を通して、環境認識、トレード手法に対する理解が深い。

ルールを守ることが出来る自己規律性が高い状態といえます。

 

ですから、もしもトレードでプライドを持つのであれば、既に書いたように、

相場に対するプライドは今すぐ捨てて、内面に対するプライドだけ持ちましょう。

 

反面、外面のプライドは高く、内面のプライドが低い状態はダメですよ。

ただの自己中心的なトレーダーになるし、他責、怠慢になりやすいから。

 

相場は自分たち個人よりも圧倒的に格上の存在です。

世界中の市場参加者の意思の集合体ですから、

自分たちはその中にお邪魔させて貰っている小さな存在に過ぎません。

 

また「相場のことは相場にきけ」という言葉があるように、

相場から多くのことを直接学ぶことが出来ますから、

謙虚、殊勝さを持って相場から教わる気持ちで向き合うのが良いと思います。

 

そうした方が、いざ自分が投資判断に間違っていた場合は、

間違いを素直に認めることが出来るため、

素早く損切りする事が出来るし、シナリオ修正をする柔軟性を持てるようになります。

だから、「素直である」ことが一番なんです。

 

更に謙虚さがあるなら、相場に対する見方も変わります。

謙虚さがある場合、最初に環境認識から始めて流れを読もうと、

冷静に見通せるようになります。

実際のエントリーは、「相場が今だよ!と発信してくれます」から、

その「発信」に対して、自分自身が適切にアンテナ立て受け取ることが出来れば、

良い流れに沿ったエントリーが出来るようになります。

要は「空気感を読むことができる」トレーダーになります。

 

相場の地合いがとても悪い状態であれば、見送ることが出来るし、

しっかり「待つ」ということが出来るようになるのです。

何故なら、エントリー出来るかどうかは相場次第なので、

相場ファーストで考えるならば、自分の都合は一番最後なのです。

自分の都合とは「エントリーをする」という判断です。

 

素直で謙虚は強いです。相場からも好かれます。

相場とは良い関係性を築いていくことが、私は長く生き残るコツの一つと思う。

自分自身の行いにはプライド(軸、自信)は持ちつつ、

他者には優しく、プライドを持たない姿勢でいることが大事ですよ。