随想録4 / 相場との距離感を意識してみる
投資で負けにくい状況を継続していく上で、ある種の「通過儀礼」があると思う。
それは負けトレーダーから勝ちトレーダーに変化するまでの流れです。
まず私を事例に話す。
実は直近数ヵ月は投資成績はプラスで終っているのですが、
リアルトレードを開始した直後2か月間は不安定でした。
また、トレード開始した直後に100万入金して2日で全損させてしまう経験はしてる。
<カルミナが辿った道筋:トレード開始8ヵ月目>
0か月目:開始直後に100万入金して、2回のトレードで溶かす。
1週間ほど文字通り何も出来ない状況に陥る。
真面目にトレードの勉強をして、上手くなろうと覚悟を決める。
0~3カ月:テクニカル分析を中心に、特に原理原則、基本に忠実であることを重視。
その間はデモトレードも行っていたが、合計約36回程デモ口座の仮想資金を全損させ、
何度も何度も同じ間違いを繰り返すことをしていました。
これはTwitterで書いてなかった現実ですけど、私も負けトレーダーから始まっている。
上手くなろうという熱意はあって、
検証時間を沢山取って勉強、知識学習もしていたが空回りする時期がありました。
ここで恐らく他と違う点としては、
・手法を変えず、一つに絞っていたこと
・その手法の練度を高めようと過去相場で検証、デモトレードで試すを繰り返す
・失敗する確率もあるが、再現性はあることを確認して自信をつけた
・何度痛い目嫌な思いしようが、それでも諦めなかった
勝つまで止めない、上手になるという姿勢だけは強かった。
4ヵ月~8ヵ月目(現在):リアルトレード開始。
直後2ヵ月間は苦しんだ。
相場の地合いも悪かったこともあったが、ルール通りにしていないトレードが多く、
単純に獲得pipsでいうなら、約600pips程度は獲れるものの、
損失分だけで同じくらい失う過ちを犯す。
(正確には"600pipsも獲れちゃった"という表現が適切かもしれない)
良い価格で入ったのに、結局同値撤退で逃げて勿体ないことをしていたために、
月間成績でかなりの不安定さが目立ったのです。
リアルトレード開始3ヵ月目からは、環境認識力の理解を深めた。
「稼ぐ」という考えを捨てて、「負けないこと」を重視した。
「つまらない投資」をすることを意識し始めたのですが、
その結果、不思議と負けなくなったのです。
利確も"出来ちゃった"ではなくて、適切に"出来る"ようにもなった。
これは大きな気付きでした。
ザックリ、ダイジェストのように状況と変化について書きました。
それを踏まえた話だが、まず「通過儀礼」の段階は必要悪だと思います。
最終的に勝つためには、まず負けのプロセスを踏んでいく必要が、
投資に関しては大事になってくるのではないか?と考える。
また上手になるためには、「熱狂」状態でなければ、
投資を継続しようとは思わないし、知識学習や検証しようとも思いません。
しかし空回りしてしまう最大の要因は「自分自身の態度」が原因なのです。
具体的には「もっと上手くなろう、早く稼ぎたい、トレード上手くなりたい」という、
ある種の焦り・欲の感情が、良き投資の邪魔をしてしまっている。
「熱狂」であることは必要です。
しかし相場と対峙する場合、「熱狂」状態が逆に足枷となってしまう。
良い意味で「冷めた」態度で、「利益を出すことに執着もしない」態度に、
自分の感情が納得した上で考えをシフトさせていくと、
負け難くなるという面白い結果に至るのです。
それが「相場と自分との距離感を意識しよう」という話に繋がります。
下手にのめり込み過ぎると、熱はあるが冷静に判断できる状態とは決して言えません。
仮に自分自身がそのような状況に陥るのならば、あえて「休む」ことも大切です。
その間は全く違うことをしていても良いでしょう。
気が付いたときに、また投資再開しようとチャートを開きなおせば良くて、
私の時は大体2週間ほど相場から意識的に離れていたことがあったのですが、
再度チャートを見始めた時、恐ろしく冷静な目線で客観視できる自分がいました。
恐らく知識や経験値がある状況下からのリスタートをしたからと思う。
真面目に勉強せず、嫌になったからと言う理由で離れてから、
再度向き直しても同じ結果にはならなかったのではないか?と考えます。
地力が低い状態のままですから、結局相場を見なおしてもよく分からないとなり、
また同じ結果になっていたのではないか?と思う。
今、熱狂具合でいうなら多少下がりつつも、
それでも「上手くなる!」という気持ちは強いかな。
しかし、利益を出したい!という欲の部分は、最初の頃と比べると格段と薄れてて、
・月間で負けていなければそれで良い。
・別にプラスマイナスゼロでも構わない。負けてないのだから。
・相場様のおかげて月利1%でもプラスだったら御の字だ。
このような態度で日々環境認識やエントリーをしているし、
最近はチャート見る時間も激減、良い位置で入れたはずだけど、
別なことを優先してエントリーをしない選択を取ることもあるが抵抗感もない。
取引数量もかなり身の丈に合わせているため、
・心理的負担がないトレードに繋がっている
・シナリオで考え、上手く行かないこともあることが当然だと受け入れるから、
最終的に求める結果にならなくても、冷静に対処出来るようになった
・損切りも利確もスムーズに出来るようになってる
・長期で考え、低レバレッジ複利運用で構わないと感情が納得している
これは実際に見ると「つまらない投資」にもなっていますね。
私はスリルは求めていない。単発で大きく稼ぐことに意味はないと考える。
ただ長期的に資産が増えている、生き残っている状況を作ることを重視しており、
そのために「どうしたら負けないか?」を考えるようになりました。
相場との距離感は、例えで「お酒」が分かりやすいだろうか?
「若い頃はお酒飲むとき何件もハシゴして朝帰り、
時にはお酒が元で失敗、恥を晒していた。
それでも反省出来ず、同じ過ちを繰り返したし、お金も浪費してしまっていた。
ただ歳を重ね"大人になってからは"、お酒は定期的に飲みはするものの、
1日あたりの回数や飲む時間帯を決めたり、
余裕のある愉しみ方をしてて、今はある程度距離を置いて酒を嗜んでいるよ」。
このように、過去の経験から学び、自分を知り、未来に役立てようという思考です。
距離感が近すぎて空回りしていたのだから、一歩引いた距離感でいたほうが、
物事上手く行きやすいのではないかと、私は考えていますし、
実体験としても言える部分はありますね。